E note

WORKSHOP

【E CROSS TALK REPORTS vol.02】
未経験からWEB業界に通用する人材になるために
〜採用担当から見た求められる人物像とは〜

こんにちは!
今回のECPワークショップは未経験からWeb業界で通用する人材ということをテーマに、人事と会社のリーダー、さらには実際に未経験からWeb業界に飛び込んだクリエイターそれぞれの目線で必要とされる人材にはどんな特徴があるのかを探っていきました。
普段なかなか聞くことの出来ない採用の裏側や、狭き門をくぐり抜けてWeb業界で活躍するクリエイターたちの転職活動を詳しく語っていただきましたので、ぜひ最後までご覧ください!


□人事の目線から見る転職活動

 

講師プロフィール

三浦美波

三浦美波(Minami Miura)

人事採用担当

株式会社コムデ

【2014年〜2021年】
新卒で中小企業、個人事業主向けに会計・財務・労務・人材などバックオフィスのコンサルティングサービスを提供する会社へ入社し、800名近くの経営者や人事担当者へコンサルディング業務を行う。
【2021年〜】
新卒採用、中途採用、面接担当、採用広報、制度設計フォロー/運用などコムデの採用、人事に関する多岐にわたる業務を担当。

今この記事を読んでいる皆さんの中にも未経験から違う業界に挑戦したいと考えている人がいるかと思いますが、実は私も未経験から現在のコムデに転職した一人でもあるんです。そこで本日は、実際に今人事職として求職者の方と面談する機会や履歴書等の書類を目にすることが多い中で、「ここをもう少しこんな風に伝えてくれたら面接官に伝わりやすいのに!」「こういうところを詳しく教えてくれたらよりその人の魅力が伝わるのに!」と感じる部分を具体的にご紹介していきたいと思います。

―転職活動の心構え「ゴールを決めること」

ポイント:社風と自分自身がマッチしているのかどうか、自分の目指す目標と転職活動で叶えたいことを明確にする。

企業から内定をもらうことがゴールになりがちな転職活動ですが、入社した後に自分がどうなりたいかということまでしっかり考えておくことで、転職活動中も入社後も壁にぶつかった時の乗り越え方が全然変わってくるんです。入社して終わりではなく、そこから自分がどのようにしてやりたいことを実現していくかが大切なので、入社した一歩先のことを考えながら転職活動に臨むと自ずと志望動機や転職理由といった面接での受け答えも精度が高まっていくのではないでしょうか。

また、会社を選ぶ基準として給与や働き方様々な制度等の条件も大切な要素ではありますが、ここだけにとらわれると自分がその会社で何をしたいかという最も基礎となる部分の説得力が失われてしまいます。自分がやりやすい会社で活躍するためにはやりたいことや目標と、自分が生活する上で大事にしたいもの、譲れない条件などをブラッシュアップしてそれらのバランスを取ることが求められます。

こうした自身のなりたい姿や仕事を通しての目標を面接時にわかりやすく伝える準備や努力をしている人が未経験からの転職を成功させているという印象です。

 

―転職市場を知る

ここ最近のIT系の転職市場を見てみると、様々な専用プラットフォームサイトが出てきたのに加えてSNSを利用した採用活動する会社も少なくなく、手書きの履歴書が全てだった十数年前と比較すると、Webサイトに登録したプロフィールや電子履歴書、さらにはSNSのプロフィールや投稿など求職者のPR出来るポイントが増えた一方で、豊富で魅力的な情報が記載されてなければなかなか次のステップへ進むことが難しいという側面も持ち合わせています。

 

―効果的なプロフィールを知る

それでは実際にコムデメンバーのプロフィールを見てみましょう!

この2名のプロフィールはWantedly という総合的な就職活動SNSに記載されていたものになります。

①のメンバーのプロフィールにはこれまで勉強してきたことが年代別に細かく書かれており、個人的に行ってきた勉強についても記載されています。
②のメンバーは前職の経験をもとに、今後Web業界でどのようにスキルアップをしていきたいかということについてかなり詳しく記載しています。どういう業界で何をしたいかという志望動機の部分までは多くの求職者の方がクリアできる関門なのですが、その志望動機に説得力を持たせるこれらの経験や勉強内容を上手く伝えることが出来るかどうかで大きく印象は変わってきます。
「自分がこれからIT・Web業界で働きたい!」という気持ちの裏付けがきちんと出来ているということが採用担当を惹きつけるポイントになるんです。

コムデの場合はWantedlyからの応募を経て、この後書類選考(履歴書・職務経歴書)という形で選考が進んでいきます。

Wantedly などのSNSが広く様々な企業へ向けた発信の場だとすれば、履歴書や職務経歴書は一つの企業だけに向けたラブレターのようなもの。大きな枠でどの企業でも出来るようなビジョンを書くのではなく、その企業で何がしたいのか、なぜその企業じゃないといけないのかという観点で改めて自分の想いをまとめる必要があります。

 

―人事が思うWeb業界で通じる未経験の人材とは

過去やってきたことをどのように活かしていきたいか、そしてこれからの未来、Web業界で何を行っていきたいのか、この2つを自分で明確に表現できる人だと私は考えています。過去と未来を振り返り、今後どのようなキャリアを歩んでいきたいかを考えるときに大切になってくるのが、冒頭でお話した「転職活動のゴールを決める」ということです。転職活動時に掲げた目標を忘れず入社した後も愚直に目標に向かって進み続けることでWeb業界で成功する道が拓けるのではないでしょうか。転職活動はあくまで通過点でしかありません。ですのでここを目標にするのではなく、自分のキャリアを見据えてゴールを掲げることが大切だと考えています。

 

 


□Web業界を牽引する、リーダーがほしい人材とは

 

講師プロフィール

深嶋 利之

深嶋 利之(Toshiyuki Fukajima)

代表取締役

株式会社コムデ

【20代の頃は営業会社で働く】
19歳でOA事業を行っている会社に入社。20歳で課の責任者に就任
25歳で仙台営業所の責任者に就任
【20代半ばWebに目覚める】
IT企業に転職、新規事業開発チームのマネージャーに就任し、 当時WordPressが無名だった頃にWordPressのパッケージサービスを作り、自ら営業と制作も行い1つの事業部として運営を行う。
26歳 新規事業開発チーム マネージャー就任
【29歳 会社設立】
ある程度の事業化ができると自信を持ち、株式会社コムデを設立

三浦 昌大

三浦 昌大(Masahiro Miura)

取締役COO

株式会社インプル

小樽商科大学大学院アントレプレナーシップ専攻MBA取得。SIerにて公共系、金融系システムやモバイルアプリ開発やマネジメント業務に従事。2018年4月当社COOに就任。

▷深嶋:
三浦さんとはコムデが営業メールを送っていたのが知り合うきっかけで、今では北海道に来るたび会う仲になりました。互いに企業の課題やこれからの動きを共有していて、とても尊敬できる経営者の方だなという印象が大きいですね。

三浦さんはインプルのCOOに就任されたということですが、今までどんな経歴を歩んできたのですか?

▷三浦:
元々私はバックエンド系のエンジニアで、電力やガスなどの公共システムや金融など1〜2年かけて行う大規模な案件を多く手掛けていました。その後キャリアアップを目的に転職をした後、フリーランスとして仕事をしていたのですが、前職で仕事の依頼をさせて頂いたのが今のインプルなんですよね。そこから意気投合して、当時インプルは3名ほどだったのですが僕がコーチング役として一緒に仕事をしていく事になりました。

▷深嶋:
始めた頃は人数もまだ少なかったとのことで家に帰れない日なんかも多かったんじゃないでしょうか。僕もコムデを立ち上げたばかりの頃は毎日会社で寝袋に入って寝てました。

今でこそ大きく成長したインプルですが、そこに到達する着火点となったものはありますか?

▷三浦:
イーロン・マスクみたいですね(笑)!

たしかに昼夜問わず忙しい日が続いていました。Web業界はやっぱり特にそういう時期を経ている人が多いかもしれません。

現在僕たちは三期目に突入しましたが、実はありがたいことに立ち上げ当初から順調に顧客が増え続けているんです。なので、苦しい時期を経て急成長したというよりは着実に一歩づつ歩みを進めているイメージですね。

▷深嶋:
素晴らしいですね。そんな成長し続けているインプルですが、これから上場準備に入るということで採用活動も積極的に行っているんですよね?どんなフローで行われているのでしょうか?

▷三浦:
基本的にはカジュアル面談(希望者のみ)から始まり、書類選考、面接二回というフローで進んでいきます。未経験の方に関しては実技試験は行わず、これまでやってきたことや学んでいるスキル、後は人物を中心に見る採用を行っています。

▷深嶋:
月に150〜200件の応募があるとのことでかなりの数の履歴書を見てきていると思いますが、三浦さんはどんなことを重要視して見ていますか?

▷三浦:
端的に言えば、技術の部分しか見ないかもしれないです。職務経歴表に自分のスキルを記載する場所があると思うのですが、言語やフレームワークを中心に自分たちのやっていることとマッチするかどうかを見ています。経歴というと仕事として年単位で行ってきたものという考えになりがちですが、この業界は新たな技術の流れも早いので「フレームワークを1ヶ月間勉強していました」というだけのことでも印象はかなり良くなりますね。現在勉強しているものや少しだけ触れたことがある程度のものでも、会社との縁に繋がることがあると思うので恐れずアピールしていいと思います。

▷深嶋:
では反対にこれは採用出来ないなと感じるのはどんな人ですか?

▷三浦:
これは様々な事情もあると思うので一概には言えないですが、1年以内に複数の職場を転々としているような経歴は何があったのか疑問に思いますね。やっぱり会社としてはメンバーとしてある程度は一緒に頑張っていく前提で採用するので、仕事をする上で支障が出ないかどうかは入念に見極めたいと思っています。これと関連して前職の退職理由もよく見ています。給与、人間関係等ネガティブな理由よりは、スキルアップやどうしてもこの会社へ入りたくて!というポジティブな理由のほうが良いですからね。

▷深嶋:
共感できるところばかりですね。技術はもちろんその人のバックグラウンドを物語るのが経歴ですから、ポジティブな気持ちで門を叩いてくれる人が魅力的に見えますよね。

面接ではどんなところを気にして見ていますか?

▷三浦:
面接は逆にこれといって絶対的な要素はないですね。書類上の情報とにらめっこする選考ではなく人対人のフェーズなのでスキル云々よりも一緒にいて面白いか、これからともに仕事をするとして心地よく出来る人かどうか、そんな部分を見ています。これは書類選考にも通づることですが、一番はどれだけインプルに入社したいと思ってくれているかどうか。それを完結に伝える能力も必要ですし、そのために今まで行ってきたことや学んできたことは、その想いの説得力を高めることになるんじゃないでしょうか。

 


□未経験からWeb業界に飛び込んだクリエイター:インプル矢島さん

 

講師プロフィール

矢島 隆造

矢島 隆造(Ryuzo Yajima)

エンジニア

株式会社インプル

金融系の会社から未経験でエンジニアに転身。仕事をしながらプログラミングスクールに通うなど日々の豊富な学習に加え、活発な情報発信や質の高いポートフォリオが目に止まり、現職からスカウトを受ける。現在はスマホ・Webアプリ開発と様々な言語を習得しながらマルチに活躍。

―自己学習を重ねて

僕がインプルに入社したきっかけとしては、転職サイトのグリーンでスカウトが来たことです。そこで最新技術を使った制作をしているインプルを知り、携わりたいと思うようになったんです。一社目に入社した会社は金融系の会社だったので全くの未経験での挑戦となりました。未経験だからこそ知識を蓄えようとスクールに通ってPHPのフレームワークであるCakePHPやLaravelを、平日なら就業後2、3時間程度、休日ならエンジニアの友達と一日中制作していました。こうしてエンジニアという仕事を札幌でしている友達が多くその内容に惹かれたのもこの業界を目指すきっかけの一つとなりました。 

実際の採用試験では、履歴書・職務経歴書の他にこれまで自分が学んだことを備忘録的に載せていたQiitaも一緒に提出しました。書類にはこれまでの経歴を始め、自己制作で制作したものなどの詳細な情報を記載し、Qiitaにはより具体的なアイデアを共有するという風にツールを駆使して上手く使い分けることによって、より効果的に自分をPR出来たんじゃないかと思います。

 


□未経験からWeb業界に飛び込んだエンジニア/デザイナー:コムデ上松さん、小畑さん

 

講師プロフィール

上松 眞綾

上松 眞綾(Maaya Uematsu)

フロントエンドエンジニア

株式会社コムデ

前職:写真レタッチャー
Webデザイナーを目指して職業訓練校に入学したが、学ぶうちにコードを書く魅力に目覚める。今後はWebアクセシビリティの方面に力を入れていきたい。

小畑 菜摘

小畑 菜摘(Natsumi Obata)

デザイナー

株式会社コムデ

前職:アパレル販売員・エンジニア
学生時代からクリエイティブなことに興味と憧れが。それらを仕事に活かしたくてデザイナーを目指す。時代を反映しながら移ろうデザインの世界は美しいと思う今日このごろ。

▷深嶋:
お二人は僕が面接をしたと思うのですが、印象に残っていることはありますか?

▷小畑:
学校で何を学んでどのくらい学習してきたかはもちろん、自分がミスしたときにどう対処するか、など人柄を重視した質問が多かった印象です。

▷上松:
私も同じように、技術はポートフォリオや書類の情報で見られていて面接では一緒に働くメンバーとしての人柄を見られているな、という印象でした。ちなみに私の時は前日に面接が決まり「今たまたま社長が札幌来てるので今来てください!」という風に言ってもらえてそこからトントン拍子に合格です!となったので、採用活動からスピード感のある会社だなと感じました。

▷深嶋:
そのエピソードは僕も記憶に残っています(笑)。
お二人は入社後研修を経て実案件に携わるようになりましたが、研修中に大変だったことなどありますか?

▷上松:
コムデの案件はワードプレスが多いのに対して私はHTMLから組んだサイトをワードプレスにする作業をしたことがなかったんです。本当に知らないことばかりで泣きながらやっていましたね(笑)。

▷小畑:
私はトップデザインを3日で作るという課題で、1日半かけても全く出来上がらず焦った気持ちで仕上げてしまった時に自分の力不足を痛感しました。

▷深嶋:
この研修では、実際の業務を見据えてハードなスケジュールに厳しい技術を設けて行っていました。実案件ではさらに不具合等の問題が途中で発生したり、先方とのやり取りも加わるのでスピード感に慣れることと、期日を守ることはとても大事にしています。

お二人が今制作をする中でやっていてよかったと思える瞬間はありますか?

▷小畑:
やっぱりクライアントの方から直接お褒めの言葉をいただけた時はやっていてよかったと思います。デザインして終わりではなく、最終的なゴールはクライアント企業の課題解決なのでそこに繋がる制作ができた時は嬉しいですね。

▷上松:
実際に制作したサイトをユーザーが利用しているのを見たときや、クライアントの無茶振りに応えられた時は達成感がありますね。

▷深嶋:
最後にお二人が最近行った制作について教えてください。

▷小畑:
FANCLの店頭の接客アプリの制作です。紆余曲折あり泣きながらデザインしたこともあったのですが、無事納品し企業さんからもお褒めの言葉をいただきホッとしています。

▷上松:
サイトのフロント画面の構築です。派手な技術こそ少ないですが、細かい機能の追加が納品直前にあったり、初めて使用する表現を使ったり、タイトなスケジュールと思いがけない要望を存分に味わえる案件でした。

▷深嶋:
入社して間もない頃から活躍しているお二人の今後の成長にも期待してます!

 


いかがだったでしょうか?

今回は採用に携わる側が思うこと、転職活動を準備する側が思うこと、両者の視点からWeb業界に通用する人材を深掘りしていきました。どの視点でも共通していることとして「目標に向かって勉強する努力を怠らない」ことが挙げられると思います。そういった意味では未経験だからこそ、経験者に劣らないくらいのポテンシャルを学びに対する姿勢や制作物を通して見せることは大きく結果を左右する要素になるのではないでしょうか。

みなさんの学びを豊かにするため、ECPではこれからもワークショップの内容を発信していきます。次回もお楽しみに!

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